少女や女性たちの「声」になる


私は美しい山間の国、タジキスタンに生まれました。とても豊かで歴 史あるペルシャ文化が息づく国です。ここでは大人への敬意、男性の発言、 人々の行動規範が重んじられます。また、もてなしの心と伝統がとても 大切にされ、信仰が生活の一部になっています。私は母国を愛し、タジ キスタンの国民であることを誇りに思っていますが、課題がたくさんあることを知っています。そして、国により良い未来が訪れることを夢見てい ます。

11 歳のとき、家族とともにコソボに移住しました。ヨーロッパ南東部 にある国です。文化上のさまざまな変化を経験するうちに、自分の国がコ ソボとどれだけ違うかを知りました。タジキスタンでは女性が大変不当な扱いを受けているのだと気づきました。女性に発言権がなく、軽んじら れていると。このことで私は教育の重要性に目覚めました。私の国では、 山間の僻へき地ち に住む女の子のなかには、9 年生(中学 3 年生)までしか学校 に通わない子もいるからです。彼女たちは私と同じように最良の未来に 値するのに、適切な教育を受けられず、医療も受けられず、夢を見ることさえできません。家計を切り盛りする大変な生活を強いられ、早婚しが ちです。このような少女たちや女性たちに教育を授け、自分の権利につい て知ってもらうことがいかに重要かに気づいたのです。

子どもの頃、同級生の女の子たちから、よくこう言われたものです。女 性の人生の目標は早く結婚すること、夫や子どものお役に立つこと、信 仰生活を送ることだと。こうした生活に反対はしませんが、私が望むものではありません。歴史を通じて、私の国の女性たちは教育を受ける機 会がほとんどありませんでした。けれど世界には、科学者、哲学者、作家、 革命家、芸術家になった女性たちがたくさんいます。もし女性たちの行動、 考え方、権利が制限されなければ、人類はどれほど偉大な達成を成しうるか、想像してみてください!

実は私の一番の情熱は音楽です。ジャズと作曲が大好きです。コソボにいる間に、歌のアルバムをつくりました。女性と少女の権利について歌い、権利の不平等、家庭内暴力、女性差別に立ち向かっています。今は、これこそが私の気持ちを表現し、人々の関心をこのテーマに集める唯一の 方法です。私の夢は、タジキスタンの少女や女性たちの声になることです。 歌を聴いてもらい、人々が女性を過小評価するのをやめるよう、強いメッ セージを送りたいと夢見ています。この国の少女や女性たち、僻地の少女 たちにも世界を動かせることを証明したいと夢見ています!

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