2 0 2 0 年、私の国はとても重要な社会的目覚めとエンパワーメントの主 役でした。政府はずっと、私たちが「オアシス」に住んでいると言って いましたが、市民はそうではないと気づき始めたのです。チリの人々は 苦しんでいると。こうして私たちは、今まで生きてきたはかない幻想を ゆっくりと壊し始めたのです。2019 年10 月に起きた「社会的爆発」、つまり大規模な反政府デモは、新型コロナウイルスの大流行も加わって、私 たちにあらゆることを問い直させています。何が当たり前のことなのか、 そして、何が正しいのか間違っているのかを。このことは、社会を見直し 再構築するための、しかし何よりも、新しい世界を一緒に夢見るための、 またとないチャンスを与えてくれています。
この経験を通じて、私は、社会正義と環境正義が実現された、誰もが平 等でサステナブルな世界を夢見るようになりました。私の理想の世界は、 共感に基づいた世界。私たちの決断が社会や環境に及ぼす影響を自覚し、 私たちが一つの共同体のなかで生きていることを忘れない世界です。社 会に蔓延する個人主義や利己主義を捨て、まわりの人々や生態系とのつ ながりを取り戻さなければなりません。 今、私は若き環境活動家として理想の世界をつくっています。2019 年に Fridays For Future Chile に加わり、2020 年には Latinas For Climate を共同設立しました。どちらも若者が主導する環境運動の組織です。私は ジェンダーの視点から環境権を推進しようと努力しています。なぜなら気候変動の危機は、女性にとって大変複雑な影響を及ぼしうるからです。 例えば、気候変動による避難民の 8 0%以上が女性だと言われています。 飢き 饉きんや干ばつは、家庭の責任を担うことが多い女性たちに弊害をもたらします。干ばつになると水を得るためにさらに遠くまで歩かなければなり ません。ジェンダーの視点で気候変動の対策を考えることが重要なのです。 これらの活動を通じて、自分の意見を伝え、社会を変える行動を担い、他 の人々をも行動へと促すことができて、私はとてもうれしく思っています。
私たちの世界はもう後戻りができないところまで来ています。行動を 起こすための時間はあまり残されていません。けれど、愛と協力に基づ いて団結すれば、気候危機の影響やジェンダーの不平等を減らし、私たち 自身や将来の世代のためにより良い未来を実現できるでしょう。私はこ れからも、地域や国、ひいては世界を変えるプロジェクトを導いていきたいです!