両親に初めてもらった本は、『地球を大切にしよう』という絵本でした。 この本を毎日読んでいた私は、すべての動物や植物が世界でどのような役割 を果たしているかを知り、魅了されました。それ以来、環境教育は私の人生に欠かせないものとなっています。 小さい頃は両親とともに田舎に住んでいて、自然との深いかかわりのなかで暮らしていました。やがて首都アスンシオンへ引っ越すと、プラスチック ごみと飢えた犬たちで埋め尽くされた通りを見てショックを受けました。ア スンシオン市の推計では1日に1,000tのごみが収集され、14万6000 頭の野 良犬が路上にいます。このまま動物の生活状況を放置することが許されては なりません。
環境や動物をどのように守るのか、若者たちが人々に教える。私は、そん な世界を夢見ています。16 歳のとき、Mymba Rayhu(グアラニー語で「動物への愛」の意味)という組織を立ち上げました。この若者主導の団体は、 野良犬の状況とプラスチック汚染の影響についての意識を高めようとしてい ます。そこで、私たちは、リサイクル素材を使って捨てられた犬のために小 屋をつくったり、意識向上キャンペーンを実施したり、子どもたちに環境問 題についての教育を行ったりしています。当初は、「若すぎる」という理由 で多くの人が賛同してくれず、公園に設置した犬小屋が盗まれてしまうこと もありました。でも、結果が出るまで粘り強く続けました。仲間内で始まっ たボランティアは、3 年間で 40人に増え、ヨーロッパ、アフリカ、アジアに支部ができました。
夢に向けての次のステップは、学校のカリキュラムのなかで地域社会における動物の大切さが学べるように教材を提供すること。これが実現すれば、 たくさんの子どもたちが適切な環境教育を受けることになり、子どもたちの 家族も一緒になって地域社会の改善の一翼を担うことになるでしょう。人と 自然のつながりを取り戻し、環境を大切にしようとする気持ちが芽生えるように、そして地球規模での意識改革ができるように、これからもがんばって いきます。