子どもの頃、目のアレルギーがあり、かゆみ、涙目、充血に苦しんでい ました。当時ソマリアには資格のある検眼医がいませんでした。それで私は医師になりたいと思ったのです。また、父は有名な内科医でした。 父のように、私も患者さんの痛みを和らげ、希望を取り戻してあげたいと 思いました。それで私は、大学で検眼学と検眼トレーニングを学ぶため、 ハルゲイサに引っ越しました。
さて、目とカメラには、多くの共通点があります。どちらもレンズを備 え、それで光を屈折させて目あるいはレンズの後方に到達させるという方 法で機能しています。後方とは目なら網膜、カメラならフィルムに相当 します。他にも多くの共通点がありますが、そういうこと以上に、幼い頃 から私は人間の目と写真に対して強い興味を抱いてきました。私は科学と芸術の架け橋となるよう運命づけられていたのだと思っています。
子どもの頃に撮った写真を、家族は気に入ってくれました。家族でデジタルカメラを所有していて、私は夕日の写真を撮ったことを覚えています。 私はそれらをいくつかのアルバムにまとめました。18 歳のとき、スマートフォンと Instagram を利用して、「ストリート・ストーリーズ」を記録 する旅を始めました。ストリート・ストーリーズとは、せかせか歩いたり 笑っている人、カラフルな行商人から買い物客まで、私たちが街で目に する日常生活そのもの。ソマリアの人々の美しさや文化の豊かさを世界に 見せたかったのです。私の旅は今や、ソマリアのイメージを変えること に成功したアフリカの物語だと見なされています。多くの汎パ ンアフリカのプラットフォームで公開され、CNN の African Voices でも特集されました。
あまたの物語が、誰の目にも触れられず、明らかにされず、誰にも語ら れないままにされてきました。私の写真を通して伝えられることは、素敵なこと。私の夢は、写真のなかに自分たちの物語を記録し、それを世界とシェアすることを同世代の若者たちに教えること。とてもシンプル ですが、世界への影響は、決して小さくはないのです。