小さくて保守的な社会で生まれ育ったことを思えば、私は内気で従順でか 弱そうな女性になるべきだったんでしょう。でも、まわりの女性たちの弱さ を見て、私はさらに強くなり、彼女たちが耐え抜いている不平等や苦しい生 活にもっと激しく立ち向かおうという気になったのです。女性たちの意識を 高め、立ちはだかる障害を乗り越える手助けをしなければと、ずっと感じてきました。パキスタン出身の活動家で女性教育を擁護するマララ・ユスフザ イさんはかつて、「私たち(人類)の半分が抑えつけられていては、成功する ことはできない」と言いました。だから私は女性たちを導き、前進させよう と心に決めたのです。
閉ざされたドアを見ると、その向こうでアルジェリアの女性たちがどんな 生活を送っているんだろうと想像します。教科書を見れば、女性の居場所は 台所なのだと 10 歳の脳みそに教え込んでいます。まわりを見渡せば、若い 女の子たちが学校を中退し、父親ほどの年齢の男性と結婚しています。女性 が殺され、リンチされているのに、誰もが正当化し、殺人の罪を軽くするた めに千差万別の言い訳を見つけます。私は彼女たちに同情するだけではなく、 行動を起こさなければいけないと思ったんです。
2016 年から、女性の権利を求める非公式の女性財団 Féministes Algériens en Mouvement (FAM) で活動してきました。さまざまな女性たちが集まっ て声を上げ、互いに変化や成長をもたらし、支え合い、より良い世界をつくろうと、女性の持つ力を主張しています。女性の尊厳を守る法律を求めて叫 び、長期的な変化を求めて抗議や運動を組織し、提訴を続けています。この 道のりは容易ではなく、証拠や目撃者が必要なときもあれば、それ以上を求 められることもありました。けれど、女性たちのために働き、もっと助けた いと私をやる気にさせてくれるのは、彼女たちが強くなり自立し、直面する問題を乗り越える姿を見ることなのです。
私は、女性たちが決して沈黙しないよう願っています。憎しみやいらだちに満ち、社会のメインストリームに女性が加わることを拒む人たちの前でも です。私は夢見ています。法律が女性や少女の権利を守り、弊害をもたらす 風潮が批判され変えられる世界を。ひとたび前向きな変化が女性たちの身に 起きれば、それはやがて彼女たちの娘や将来の世代にも広がっていくことでしょう。