この国で生き抜く、この国を変える

中央アフリカ共和国は、62万 3000km2の国土にわずか 450万人が住む ばかりだが資源の豊かな国で、“Zo Kwe zo” という哲学がある。「すべて の人間は神聖である」という意味の、この寛容の文化は中央アフリカ共和 国独立の父であるバルテレミー・ボガンダにまでさかのぼることができる。

しかし、国民の権利が尊重されず統治者が説明責任を果たさないことで、“Zo Kwe zo” の精神は時を経るごとに失われつつある。 独立以来、不安定な状態は 6 0 年以上続き、内戦が常態化している。反 政府軍は地盤を固め人々の富を奪い、人を殺している。政治の貧しさ、共 和制システムの脆弱さ、教育や医療そして若者たちの雇用機会の欠如に よって、中央アフリカ共和国は世界最貧国の一つになってしまった。国民から見ても国際社会から見ても、主権国家としての地位は安定していない。

私はこの状況をゆりかごにいた頃から毎日過ごしてきた。父は 60 代の 高齢者であり、私は 30 代の男性だ。このことは、自国の歴史を語り、国民の生活環境を改善するために貢献する正当性を与えてくれている。

私と同じ世代の何千人もの若者たちは、自分たちの国への帰属意識や愛 国心を疑問視している。反乱に巻き込まれ、暴力的な過激思想に染まって いる。貧しい人々はしばしばお金を得るために軍隊に入る。成功するのは一部で、ほとんどは死んでしまう。

それでも、私は中央アフリカ共和国に生まれたことを誇りに思う。ジャーナリストや活動家として恵まれない人々のいる地方をたくさん訪れるう ち、人々が自分たちの経験を話すのを聞けるようになった。そうしてこの 国にはすでに人々を幸せにするためのすべてがあると知った。私たちが誤った道を歩んでいるのは、リーダーシップが欠如しているからにすぎない。

中央アフリカ共和国で成功を収めることが、手の届かない夢であっては ならない。今では人口の 75%以上を若者が占めている。国民全員に、特 に若者、若い女性に、職業訓練を通して平等な機会を提供することで、悪しき政治から脱却できる。しかし、これは人権の尊重なしには不可能だ。 私は、私の国の社会的分断に終止符を打つという夢に取りつかれている。悪の産業を止めなければならない。そうでなければ、どこにいても平和が なく、ともに生きることができない。人類はもはや意味を持たない存在に なってしまう。私はこの国が変わることを強く、楽観的に信じ、私がリードして私が望む形にしたいと思っている。夢を実現するために、暴力に満 ちたこの国で、私は生き抜く。

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