新たな価値創造の旅——MS&AD小松崎さんが挑む、保険×イノベーションの最前線

「たとえ小さくても、まだ存在しない何かを形にしていく——それこそがイノベーションの本質じゃないかなと」
今回はMS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社イノベーション企画部長の小松崎さんに、部署のミッションやご自身の想い、そして描く未来像についてお話を伺いました!

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いわゆる「保険本業」ではない場所から、会社の未来をつくる

早速ですが、「イノベーション企画部」という名前からいろいろ想像が膨らみます。具体的にはどのようなミッションや業務を担っている部署なのでしょうか。

​​色々な意味で「保険会社」の役割を拡げていくことを担う部署です。保険会社って、良くも悪くも伝統的な慣習や風土があると思います。​ 

​​ですが将来的にマイカーの保有率低下など、売上の多くを占める自動車保険等本業の収益性には課題があります。だからこそ私たちは、新しい形でグループの持続的成長を支えることが求められているんです。​ 

​​具体的にはどのような役割を?​ 

​​私たちは「保険会社」本体ではなく、グループ全体を支えるホールディングス側に所属しています※。そのため、各事業会社とは少し異なる立場で、未来志向の挑戦に取り組むことができます。​ 

​​この立ち位置を活かし、私たちは中長期的に“第3の収益の柱”を築くことをミッションの一つとしています。具体的には、「AIやデジタルによる既存保険事業の強化」、「保険を超えた事業創出」、「グループ全体でのデジタル人財育成」といった取り組みに力を入れています。​  

​​※ホールディングス:複数のグループ会社を統括し、全体の戦略立案や経営管理を担う親会社のこと。​ 

​​「事業創出」が目指す姿​ 

​​ありがとうございます!では次に、イノベーション企画部の「夢」を一言で表すと?​ 

​​「事業創出」です。保険以外の新規事業を立ち上げることもそうですが、既存の保険ビジネスの中からも新たな価値を見出し事業化していく——この2つを通じて、事業創出という夢を追いかけています。​ 

​​部署自体は2021年に発足されたと伺いましたが、なぜこのタイミングで必要とされたのでしょうか。​ 

​​背景にはホールディングス体制が始まって以来、各事業会社はそれぞれの強みを生かして役割を果たしてきました。ですが、それぞれで動く強みが十分にグループ横断で発揮しきれていないという課題がありました。発足当時は、デジタル、DX取組が各事業会社の各部署で盛んに行われており、そこに横ぐしを通し、グループとしてシナジーを最大化していくことを目指して誕生しました。​ 

ではズバリ、小松崎さんにとって「イノベーション」とは何でしょうか?​

​​「今そこにない価値を生み出すこと」です。劇的な変革ではなく、たとえ小さくても、まだ存在しない何かを形にしていく——それこそがイノベーションの本質じゃないかなと。​ 

​​「人がやらないことをやる」——その一貫が今の仕事に​

小松崎さんご自身の「夢」は何ですか?​

​​「人がやらないことをやりたい」という想いが、ずっと根っこにありますね。誰もやっていないからこそ、自分がやる意味があると感じるのです。​ 

まさに、それってイノベーションそのものですね!

ああ、たしかに(笑)自分に合っているのかもしれませんね、こういう仕事が。

今「合っているかもしれません」とおっしゃいましたが、ここに至るまでどんなキャリアを歩まれてきたのでしょうか?​

​​1996年に三井住友海上火災保険株式会社に新卒で入社し、そこから10年間は企業営業、次の約10年は自動車保険部で商品営推業務を担当しました。​ 

​​転機は2017年。新設されたデジタル部門の立ち上げメンバーとして参画しました。ゼロからの挑戦は、「人がやらないことをやりたい」という自分の価値観にぴったりで。以降デジタル領域に携わっています。​ 

​​ものすごい偶然ですね。小松崎さんが日々の業務の中で「ワクワクする瞬間」はどんなときでしょうか?​ 

「あまり周りから仕事がふってこないこと」です。自分がやりたいと思ったことがそのまま仕事になる——それが一番面白いですね。

​​ただし仕事ですから必ず責任が伴います。何をやるか、なぜやるか、何を目指すのかを常に問われる立場でもあります。​ 

​​小さな一歩が文化を変える——変わり始めたMS&ADの風土​ 

​​現在の取り組みについても伺いたいです。グローバルなスタートアップとの協業・投資を進めているそうですが、現在の注力領域を教えてください。​ 

​​ホールディングス傘下の「MS&ADベンチャーズ」というCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を通じて、これまで米国を中心に多くのスタートアップに投資してきました。最近ではやはり、生成AIをはじめとするAI領域に注目しています。​ 

​サステナビリティとイノベーションの関係をどのように捉えていますか?

​​両者は非常に深く関係していると思います。当社グループでは、SDGsを一つの旗印として、さまざまな課題の中から重点テーマを定めて取り組んでいます。たとえば、自然災害への対応では火災保険の意義が再注目されていますし、サイバーリスクやAIに伴う新たなリスクにも、保険商品やサービスを通じてどう向き合うかを模索しています。​ 

​イノベーションを生み出すための風土はどのように育てていますか?

​​「保険本業の枠にとらわれず、新しいことにチャレンジしてもいい」と思える空気づくりを大切にしています。たとえば業務の延長線上で、自ら工夫して事故を起こされたお客さまに再発防止のご提案をするような姿勢を後押しし、それを組織が前向きに受け止める風土が少しずつ社内に根付き始めているように思います。まだ道半ばではありますが、トップダウンとボトムアップの両輪で、挑戦を歓迎する文化を育てていきたいと考えています。​ 

​​AIが日常業務に!Word・Excelに生成AIを埋め込む​ 

​​ちなみに、AI活用について具体的な事例はありますか?​ 

分かりやすい例として、OpenAIの技術を活用し生成AIをWordやExcelの「リボン(※ツールバーのような操作メニュー)」に直接組み込む仕組みを社内で構築しました。別のツールを立ち上げる必要はなく、日常の業務フローの中で自然に生成AIを使えるのが特長です。たとえばWordで「この100ページの資料を3ページに要約して」と打ってEnterを押せば、瞬時に要約されるんです。

えっ、とても便利じゃないですか!ぜひ実際に見てもいいですか…?

(↓実際の様子)

​​おおーー…!​ 

昨年度からグループ内で展開しはじめ、非常に好評です。

​​保険の枠を越え、未来を共に創る​ 

​​これまで夢や目標についてお聞きしました。それに向けた現在の課題はなんですか?​ 

​​一番の課題は、自分たちの取り組みの価値や意義をグループ内にもっと理解してもらうために、取り組み自体を磨くことです。グループを取り巻く環境を踏まえ、保険本業への貢献を軸に、特に事業創出の領域においては真に必要な取り組みを社内外の理解と共感を得て大きく育てていけるかがポイントだと考えています。​ 

​​掲げている目標が実現された未来は、どんな姿を描いていますか?​ 

​​保険以外の領域でも、お客さまと自然に接点を持ち価値を提供できる会社になっていたいですね。事故のときだけ関わる関係ではなく、もっと日常の中で寄り添える存在になりたい————それが私たちの理想です。​ 

​​採用活動も積極的に行っていると聞いています。これから一緒に働く仲間には、どんなマインドや資質を求めていますか?​ 

​​「何事も自分事化できる人」と一緒に働きたいです。やりたい仕事にすぐ就けるとは限らないけれど、当社では人事ローテーションもありますし、努力すれば必ずチャンスは巡ってきます。だからこそ「今この環境で自分にできることは何か」を前向きに考えられる、そんな人と未来をつくっていきたいですね。​ 

​​では最後に、この記事を読んでいる皆さんへメッセージをお願いします!​ 

​​一緒に、「保険会社」という枠を超えた、新しいMS&ADをつくっていきましょう!まだ誰も見たことのない未来の「あるべき姿」を、共に探していけたら嬉しいです。​ 

ありがとうございました。 未来への広がりを感じられる、貴重なお話でした!

おわりに

​​「保険会社」という固定観念を打ち破り、変化の激しい時代を自分ごととして受け止め、恐れず挑戦し続ける小松崎さん。その言葉には重みがあり、挑戦への熱意がひしひしと伝わってきました。​ 

​​皆さんも、日々の中で小さな一歩からイノベーションを生み出そう——そんな勇気をもらえたのではないでしょうか?​ 

Interviewed by 加藤 花蓮

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