ビデオゲームは今やジブチのカルチャーの一つと言っていいほどで、 FIFA シリーズやフォートナイト、Call of Duty などが人気だ。私もビデ オゲームに夢中で、フランス留学から帰った後、2018 年には eスポーツ 協会を設立し、いくつかの e スポーツイベントを開催したりしてきた。私 の国でビデオゲームを盛り上げるための最終ステップとして、若者が VRゲームを楽しんだり、他にもリラクゼーションやエンターテインメントの ためのスペースを兼ね備えたゲーミングセンターをオープンさせようと しているが、ここで大きな課題にぶつかった。それは法外な電気料金。そのせいで、私は諦めかけた。
ジブチは約 2万3000km2 の小さな国だが、国の発展を助ける天然資源に恵まれている。Google で「ジブチ」と検索すると、アフリカで最も低 い海抜マイナス 153m に位置するアッサル湖のように、息をのむパラダ イスを見つけることができるだろう。しかし、生活環境の改善を妨げるさ まざまな問題があり、とりわけ電力問題は深刻だ。
ジブチは世界で最も電気料金が高い国の一つに数えられており、消費電 力1kW当たりの平均価格は55ジブチ・フラン(2021年3月現在で約34 円)。夏場は灼熱だが、そんななか何度も停電に見舞われる。収入の大半 を電気料金に吸い取られるのが嫌で、結婚したくないなんて若者もいる。 ジブチの将来のために、適切な解決策を見つけなければならない。
長い間、電力問題は解決できないものとして捉えられてきたが、私は 全くそう思わない。技術は進歩している。電気料金を下げるためのプロ ジェクトが次々と生まれ、年間 360 日にわたる晴天を利用した太陽光発電
や地熱のポテンシャルを生かした地熱発電などのプロジェクトが進んでい る。私もまた、ゲーミングセンターの電力需要を満たすため、ソーラーパ ネルが使えるかどうか実現可能性を研究している。これは環境への影響を 低減し、手頃な価格の電気を実現するための主な解決策の一つになるかも しれない。すべてが順調に進めば、2021年までに投資してゲーミングセンターのプロジェクトを再開するつもりだ。 発展途上国は、火力や原子力には頼れない。私たちは太陽光や風力など
の再生可能エネルギーを利用して解決策を見つけなければならない。すべ ての人が手頃な価格で電気を利用でき、環境のウェルビーイングを最優先に考えながら夢を追えるようにしたい。それが私の夢だ。