努力はいつでもあなたの味方

母はセントクリストファー・ネービス出身ですが、いわゆるアメリカン ドリームを求めてアメリカに移住しました。そのため私は幼少期から母方 の祖母に主に育てられ、悲しいことに、16 歳になるまで母と再会できませんでした。一方、ハイチ人の父とは、生涯で一度しか会っていません。 25 歳でハイチを旅行した、そのときだけです。

子どもの頃に使っていたトイレは屋外にあって穴を掘っただけのもので した。その後、小さな木造の家はコンクリートの建物になり、トイレも屋 内につくられましたが、あのときのトイレを今でも鮮明に思い出すことができます。食べるものがなくて、翌日の朝食用のパンの半分を祖母にねだっ ていた夜のこともよく思い出します。母が一番恋しくなったのは小学校を 卒業したときです。私は卒業生総代だったのに、母は卒業式に参加できま せんでした。こうした日々は良いものではありませんでしたが、そのおか げで他の人の人生が前進する機会をともにし、創造し、推進することを私の使命とするようになったのです。 今振り返ってみると、自分の将来がどんなものか想像するのは簡単でなかったと言うことができます。でも、ありがたいことに祖母や家族の励ま しのもと、私は努力し、自分の力を出し切り、小さいときから優秀な成績 を収め、そのおかげでチャンスが訪れました。数多くの大学から奨学金を受けて、卒業後には素晴らしい仕事に就くことができたのです。行政学や 国際関係学の学位を取り、調停人と認定され、英語とスペイン語を使える ようにもなりました。現在はセントクリストファー・ネービスで国会の書記官と外務・航空省の上級外交官という二つの専門職に就いています。 私にとって一番大切なのは、2014年にSonia Boddie Promising Youth Leader 奨学金を創設したこと。私が通った小学校の子どもたちが中学校へ進むとき、学用品にかかる費用をカバーしています。私は、人種、民族、 宗教、信条、文化、性別、社会経済的背景に関係なく、若者が教育を受け、 成功した人生を送るチャンスが無限に与えられるような世界を夢見ています。

私は若者の夢を現実に変えることに貢献できていることが本当にうれしいです。そして、かつての私と同じように苦しんでいる子どもたちに伝え たいのです。集中して、勤勉に、常に前を向き、さらなる高みを目指し続けましょう、と。力を注ぎ、あなたが本当にやりたいということを示せば、 心に決めたどんなことも達成できます。努力はいつでもあなたの味方だから、あなたの努力の過程を信じましょう!

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