私は、月経や、性・生殖の健康に関するすべてがタブーとされる地域で 生まれ育ちました。この話題についてオープンに話す人は誰もいません。 けれど、ひそかにこの話題について話をしたり、自分の子どもたちに教えている人たちもいます。中流階級や裕福な家庭の人たち、もしくは、教育 を受けた母親たちです。
私の国ガンビアでは、生理用品の入手や、家庭、村の市場、学校、職場 での月経衛生管理に必要な設備(きれいな水、トイレ、ごみ箱)の不足が 大きな問題でしたが、この問題は今なお続いています。生理や性・生殖の 健康は 10 代の若者に影響を及ぼす事柄ですが、私はその適切な知識を得 られないまま思春期を過ごしました。生理のこと、自分のケアの仕方、生 理痛の対処法について相談できる相手も、生理用ナプキンを買ってくれる 人もいませんでした。私の家は大家族で、両親は一家を養い、子どもたち に質の高い教育を受けさせるのに四苦八苦していたからです。学校で休み時間に食べ物を買うために親からもらったお金を貯めて、毎月生理用ナプ キンを買ったものでした。一番安いものしか買えなかったので数が足りず、品質も良くありませんでした。生理用ナプキンを買うためのお金の確保は 大変でしたが、一番つらかったのは、生理用ナプキンを買うために村のお 店に入ることだったのです。
この話は私に限ったことではありません。「生理の貧困」は、世界中の 多くの恵まれない女性や少女たちに影響を及ぼしています。看護師である 私は自分の知識やスキル、経験を生かして、Girls’ Pride という社会企業 を始めました。繰り返し使える生理用ナプキン、パンティライナー、下着 などを提供しています。また、女性や少女たちに月経衛生管理を教えるほ か、性と生殖に関する健康と権利(SRHR)を伝える講師のトレーニング や生理用ナプキンのつくり方講座も開催しています。さらに、学校で少女 たちにこのテーマを教えるための本やゲームをつくっています。この事業 を通じて、私は少女たちが生理中も学校で勉強を続けられるようにしたい のです。少女が教育を全うし、法律家や科学者など夢の仕事に就けたら、 彼女は国の発展に貢献し、他の少女を力付けることができるでしょう。
私はフェミニストとして、すべての若者たち、女性たち、そして男性た ちも、どんな形の差別も受けることなく、平等に、性と生殖にかかわる医療サービスや製品を利用できる世界になることを夢見ているのです。