「私がアフリカ人なのは、アフリカで生まれたからではなく、アフリカ が私のなかで生まれたからだ。」ガーナの初代大統領クワメ・エンクルマ の言葉です。まさかこれが、私の真の姿を表す言葉になるとは想像もして いませんでした。私のまわりにいる人たちも同じです。だって、私の夢は薬 剤師になることでしたから。
でも、物事はそうは運ばなかったのです。私は困惑し、次に何をしたら いいのか分からなくなってしまいました。スペイン語と文学の分野で学 士号を取りましたが私の夢とは程遠く、自分が本当に望むものは何なの かを理解するために、先へ進まなくてはいけませんでした。
私はある日、カイロ大学で「模擬アフリカ連合」という課外活動に参 加しました。さまざまな国の仲間たちに出会い、人生のターニングポイ ントとなり、世界にはもっと他に知らなくてはいけない場所があると感じました。私はエジプト人であり、エジプトは北アフリカに位置しています。 アフリカこそが私の属する世界なのだと気づきました。
それ以来、私はアフリカを知り、アフリカに奉仕することに全力を捧げ ました。私の夢をかなえる最善の方法は、外交団で働くことだと思いまし た。二度応募し、5 年 以上勉強し、あとちょっとのところまではいったの ですが、うまくいきませんでした。
そのときの私の気持ち、きっとあなたも想像できるでしょう。しかし、 挫折と涙を乗り越えて、何が何でも諦めないと決めました。私はアフリ カにおける紛争・危機管理の分野で大学院相当の資格を取得しました。努 力の末、オンライン・スクールで、アフリカの若きリーダーたちを支援するトレーナーになることができました。今ではアフリカの 54 カ国に友達 がいると堂々と言えます。
2019年、ガンビアにて、先見的なリーダーに贈られるYoung African Leaders Award で、私はエジプト人初の受賞者となりました。これは、 私の情熱がそれだけ価値のあるものなのだと実感した瞬間でした。そして今、アフリカ連合青年ボランティア隊として配属されるのを待っています。
自分の情熱に従うことをやめず、アフリカのすべての人々に奉仕するために全力を尽くしながら、私はより多くのことをし続けるつもりです。 私の物語は、偉大な大陸、母なるアフリカをつくるという夢が実現するまで続きます。