昨今、心理学者たちは、多くの若者が夢を持っていないと言う。若者は 「夢」を、所有できる物質的なものに結びつけてしまいがちだ。例えば新 しいガジェット、エキゾチックな国への旅行、高収入を得られる職業といったもの。 夢を見ることは、山でのハイキングに似ている。駆け出して、できるだけ早く目的地にたどり着きたいとじりじりしながらも、情熱と大志を 抱いて一歩ずつ前進し続けなければならない。おそらく若者たちが見失っ ているのは、この姿勢ではないだろうか。何かを求めて努力しない。それ はなぜなら、何でも与えられてきたからだ。彼らにとって自分自身を見つ けることは極端に難しいのだと、私は感じている。だからこそ、若者たち を現実の世界へと導き戻し、自分たちが追い求める夢を見つけられるように支援していく必要がある。 強い意志を持つ個人が集まり、一人ひとりの個性を重視した健全な社会を形成する。それが私の夢だ。そんな世界が実現すれば、人々のなか に変化を生み出すことができると信じている。
私たちがつくってきたこの世界は、私たちの思考プロセスの結実だ。 だから私たちが考え方を変えない限り、世界は変わらない。そこで私は、 世界を変えようと自分自身を変えることから始めた。つまり、自分にとって未知の領域に足を踏み出し、新しいことを学ぶ挑戦を続け、日々より良 い自分をつくろうとしているのだ。
さらに、ここ数年は IT プロジェクト・マネージャーとして、政府や国 際機関の活動に携わってきた。こうしたプロジェクトはすべて、SDGsを達成するために長期的な効果をもたらすように計画されている。現在は、 アルメニアのエネルギーセクターの自由化プロジェクトに従事している ほか、ヨーロッパの主要開発機関のための成果重視型モニタリング・評価のデータ管理システムの開発にも取り組んでいる。 世界をより良い方向に変えたい。これは私の夢だ。しかし、夢とは、誰かと共有すればするほど、その力が増していくものである。つまり、 私の夢を信じてくれる人が多ければ多いほど、実現する可能性も増していく。 冒頭の話に戻るが、だからもしあなたが、ある日突然「自分には夢がない」と感じたら、私はあなたに自分の夢をシェアできるのだ。力を合わ せれば、明日という可能性に向けて、私たちは今日から未来を創造してい ける。