私の青春は孤独で陰気で、地元のギャングの一員になることに魅力を 感じるほどだった。幸いなことに、16 歳のとき、生きる目的を見つける ことができた。世界平和を求める HipHop カルチャーに出会い、恋に落ちたのだ。その瞬間から私の人生はポジティブに、そして永久に変わった。 自分の存在意義を高めるだけでなく、家族との確執、極貧、祖国での強 制移住などの理由で、私が抱えていた空虚感を埋めることにもなった。
私は HipHop のプロモーターであり、Bboy ※ 8 でもある。このことは、 若者はポジティブな存在だということ、想像を絶する貧困、日常的な暴 力や荒廃を経てもなお夢をかなえることができるという心揺さぶるメッセージにもなっている。
私は HipHop から得た自信とパワーのおかげで天職を発見し、現在は若者を教育し、人生においてより良い決断を下せるようにする手助けを している。若者を対象とした私たちのワークショップでは、「芸術やスポー ツに打ち込めば、 ストリートの不良少年が 1 人減る」が合言葉になってい る。「尊敬する人は誰ですか?」と聞けば地元のギャングの名前を挙げる 若者が少なくない。彼らがそんな価値観と手を切り、健全な志や人生哲 学へと導く力が芸術やスポーツにはある。ただの娯楽ではなく、コミュ ニティの「保護要因」を構築し、結果的にコミュニティに回復力をもたら してくれるのだ。
それでもこの 1 0 年間、多くの仲間やワークショップに参加した若者た ちが暴力や偏見、社会的差別のために失われた。若者が活躍するための 適切なツールにアクセスできないこと、ギャングや腐敗した当局などに よる犯罪の魔の手で若者の人生がだめになってしまうこと。これらは社会 的不公平そのものだ。暴力のない安全なコミュニティを構築し、すべて の人にとってより安全な場所をつくるのが私の夢だ。若者に行動を起こさせることは簡単ではない。だが、情熱と忍耐力を持って行動していきたい。