美しいギニアの復活を目指して

私は「アフリカの真珠」と呼ばれる莫大な天然資源を持った国ギニア で生まれました。子どもの頃、野原に出かけ、真っ赤な美しい花を咲かせ るホウオウボクの木で遊んだりしていました。この木のおかげで、私の国は「東大西洋の最高の目的地」と航海士に言われました。現代においては、 ギニアは環境問題やジェンダー問題でアフリカのお手本となってきまし た。私の国では、女性の社会進出が早くから進み、世界初の女性の国連安全保障理事会議長ジャンヌ・マルタン・シセもギニア出身でした。環 境面では、生物多様性保護対策の最前線に立って、豊富な天然資源を管 理する政策を打ち出し、他のアフリカ諸国に影響を与えました。

しかし、残念ながら、私が成長するにつれ、美しい風景は徐々に消えて いきました。ここ数十年の間に、採掘活動によって森林が破壊され、都 市では廃棄物の管理が行き届かなくなり、さらに女性の権利が損なわれ るようになっていたのです。森林伐採は森林資源で生計を立てている女性 に影響を与えます。河川が干上がると、女性はきれいな水を探すために 何 km も歩かなければならず、他の土地への移住を余儀なくされることも あります。これは地域の紛争、さらに女性が鉱山での危険な仕事に就い たり、強姦や売春の被害者となることにつながっています。

私は変化を起こそうと、気候正義や人権の分野に興味を持つようになり ました。2 7 歳のとき、二つの活動を立ち上げました。一つは、女性のリー ダーシップや人権の推進を目的とした FemmeVision2030。もう一つは、SNS で自撮り写真を拡散してサステナブルな廃棄物管理の意識を高める #SelfieDéchets です。これに加えて、調査、アドボカシーキャンペーン、ビー チや公共スペースでの衛生プログラム、学校やラジオ、テレビでの啓発セミナーといった活動も行っています。#SelfieDéchets は世界中の多くの 若者の団体にインスピレーションを与え、世界の主要メディアでも報道されたり、また各国の大学で事例研究の対象となっています。 私は、開発政策への市民の関与を高めることが、コミュニティをサス テナブルで強靱なものにし、資源管理の透明性を高め、法律、特に環境保全に関連したものを正しく施行することにつながると信じています。
環境破壊と気候変動は、人権にかかわる問題です。より多くの若者がこ うした問題との闘いに参加するようになってほしい。そして、私の国が再び「アフリカの真珠」となることを夢見ています。

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