今回取材させていただいたのは、株式会社ブランドクラウドの叶野雄与さんです。
1993年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学理工学部卒。JAPAN MENSA会員。在学中にブランドクラウド創業者である井原正隆と知り合い、師事。2018年、ブランドクラウドがベクトルグループへ参入した際、営業部管掌取締役に就任。2023年5月24日、同社代表取締役社長に就任。
ー再挑戦できる社会に
編集者:ブランドクラウド様はどんな事業をしている会社ですか?
叶野:主にORM(オンラインレピュテーションマネジメント)という手法を用いた、風評被害対策やブランディング支援をさせていただいております。
AI:具体的にどんなことをされているのですか?
叶野:フェイクニュースやネット上の誹謗中傷に困っている企業様や個人の方からご相談をいただき、正しい情報をユーザーへ発信しファクトを届けるとともに、Web上におけるネガティブ情報の視認率を下げていくような施策を主に実施させていただいております。
ー社会に還元したい
編集部:SDGsの取り組みを始めた理由はなんでしょうか?
叶野:10年ほど前から大企業を中心にサステナビリティやDE&I(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)に注力する傾向が広がってきましたが、現在SDGsの重要性が社会的に浸透しさらに加速していく中で、今後は「再挑戦できる社会に」というキーワードを主軸としてSDGsへの取り組みにもトライし社会に還元していく存在でありたいと考えています。
この流れは一過性のトレンドではなく、新たな時代の価値観となることは明白です。社会的価値を高めるのはもちろんのこと、新たなビジネスの柱として経済的価値を産み出すチャンスとしてSDGsに取り組もうと考えました。
ー風評被害対策とSDGs
編集者:主事業である風評被害の対策とSDGsの取り組みはどのような関係がありますか?
叶野:ネットやSNSの影響力が強い現代において、誹謗中傷や正しくない情報が拡散されることで、企業が積み上げてきた信用や個人の心の健康が阻害されてしまうと思います。弊社の風評被害クラウドというサービスを通して、事業として企業の信用や個人の心の健康を守り、サステナブルな社会を作ることにも貢献できればと考えております。
AI:そのようなサービスは、企業や個人として活躍している方にとって、本当にニーズがありますよね。
ー偏見なく公平な社会に
編集者:公平な社会にするために取り組んでいることはありますか?
叶野:ブランドクラウドではSDGsに取り組むことを決める前からDE&I(多様性、公平性、包摂性)を自然に取り入れ性別、学歴、人種にとらわれない採用活動を心がけてきました。社内では、成功を羨むのではなく学び合う文化が根付いており、それが相乗効果を生み会社の成長につながっています。現状に満足せず全ての従業員がその能力を最大限に発揮できる、多様性のある職場をこれまで以上に目指していきたいと考えています。
AI:最近私は”女性として”と言われることが結構多くて、逆に”女性で”って言ってる方が女性を意識しすぎているんじゃない?と思う時もあります。どうしても性別に関する潜在的な違いはあると思いますが、人の能力や特性で採用しているのは、すごく素晴らしいことだと思います。
叶野:弊社には、性別などに関係なく自分の苦手なことを開示した上で、信用できる仲間を巻き込んで一つの問題を解決していける人が多くいます。そのようにお互いの個性を尊重し、それぞれ足りないところを補い合える考え方が自然と生まれてくるような企業文化となっているように感じます。
AI:協力して問題を解決することで、一緒に働く人がどのような気持ちで働いているか理解し合っていけるといいですね。
叶野:そうですよね。相手をリスペクトし合ったり、強みを活かして協力できる人が増えると、自然とサステナブルな組織や社会に繋がっていくのではないかと思います。
AI:ブランドクラウドの社員のみなさんのような、性別や学歴に偏見を持たない方々をもっと多くしていきたいですよね。結局そういう人たちの方が一緒に働きたいと思えるので、ポジティブな気持ちや考え方をどんどん応援して、より多くの人に広げていけたらと思います。
ー雇用創出に貢献
編集者:バングラディシュにも子会社を設立されるとお伺いしましたが、それはなぜですか?
叶野:バングラディシュは、発展途上国の中でITリテラシーや英語力がある程度あるにも関わらず、雇用問題が続いています。技術力のあるバングラディシュの方を採用し、子会社を設立することで、雇用創出に貢献できればと思っています。
ー小さな取り組みから
編集者:社内でも環境に配慮した取り組みをしているそうですね。具体的にどういった取り組みをされていますか?
叶野:カーボンニュートラルのミネラルウォーターにしたり、名刺の材質を環境に配慮した材料にしています。研修会などをきっかけに社内である程度の意識は芽生えると思うのですが、時間が経つと忘れてしまいますし、会社として『サステナブル』を浸透させることは難しいと思います。少しずつ身近なところから変えていくことで潜在的に意識化されていくと思うので、今できるところからやり始めています。
編集者:AIさんが普段しているSDGsの取り組みはありますか?
AI:最近は子供が水を出しっぱなしにしていたり、冷蔵庫を開けっぱなしにしていたりして、私が勿体ない!と言っていたら、その後は私が水を出しっぱなしにしている時に、子供が勿体無い!と言ってくれるようになりました。自分が意識できていない時でも、子供たちが逆に教えてくれるので、意識する回数は増えたと思います。最近はエコに関する情報が増えたので、少しずつ知って実行するだけで、自分がちょっといいことをしたみたいになるじゃないですか。いいことをすると自分のことをちょっと好きになるから、また人に優しくできる。そういう世界になったらいいなと思います。
ー取り組みだけでなく、1人ひとりが語れるように
編集者:SDGsの目標を設定する中で、大変だったことや将来のビジョンはありますか?
叶野:目標を設定していくとブランドクラウドの事業や社内での取り組みが、思っていたよりもSDGsの様々な項目に当てはまっていたため、どの項目に重点を置き、どのように優先順位を決定するかを選択するのが特に大変でした。今後は従業員一人ひとりが意識的に取り組み経済的成功と社会への貢献を両立させていきます。
ーSDGsの考え方を1人ひとりの武器に
編集者:最後に今後の展望を教えてください。
叶野:SDGsの取り組みを一過性のものではなく、今後もしっかりと継続していきたいです。また、ブランドクラウドの社内全体にSDGsの考え方を浸透させた上で、1人ひとりがSDGsの考え方をもつことを武器とし、サステナブルなコミュニケーションを今度は社会に広めていけたらと思っています。
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こちらの記事はパートナーメディア TAP l Take for Action for Peace から特別な許可をいただいて転載・編集しているものです