私は歯科医師であり、社会起業家でもある。私の国の最大の社会課題のひとつは、若者の失業です。私の使命は、若者にチャンスを与えることです。
バングラデシュの小さな村で生まれた私は、幼い頃からマドラサで宗教と英語を学びながら育ちました。父は開発部門に属しており、教育機関や孤児院に赴いては社会貢献をしていました。そんな父の背中を見て育った私はやがて、彼の仕事の手伝いをするようになりました。当時の私は内気でした。特に父の仕事の関係で都市の学校に移ってからは、自身の中にある恐れや不安に苦しんでいました。慣れない環境下で、自分自身を表現することが難しかったのです。
すべてが変わったのは、4ヶ月間のトレーニングプログラムにおいてリーダーシップと実践的なスキルを学んだ時でした。この経験によって私はコンフォートゾーンからの脱却を果たし、自身の内なる可能性を磨くことで、恐れや不安を克服することができたのです。
家族の希望をもとに、私は歯科医師になる道を選びました。隔週で村に行っては、無償で歯科治療を提供しています。人口50万人の小さな地域に、歯科医は数人。私には重大な責任があります。しかし、私の使命はそれだけではありません。私が経験したような自己成長の機会を、より多くの若者にも手にして欲しい。若者が自分自身の可能性を発見し、より良い未来を築いていく。そんな世界を実現するために私は、「Youth Opportunities」を立ち上げました。これは、世界中の若者のための機会発見プラットフォームです。私たちは、自己啓発の機会や本質的な教育コンテンツを無料で若者に提供しています。このプロジェクトを始めるにあたり、私たちは多くの困難に直面しました。私たちのビジネスモデルには前例がなく、持続可能性に懸念がありました。さらに、私たちのビジネスや社会に関する知識は限られていたため、信頼を獲得できず、組織発展は非常にゆっくりとしたものでした。
それでも私たちは諦めず、徐々に知識と関係者との信頼を築いていきました。2016年、私はリーダーシップスキルのある若者を称える「Queen’s Young Leaders Award」を受賞しました。これを機に、多くの人々の承認や支持を獲得し、組織を正式に立ち上げることができました。今日、何百万人もの若者が私たちのプラットフォームの恩恵を受けており、多くのフィードバックをいただいています。私たちの目標は、世界中のすべての若者が平等に機会を得られるような包括的なプラットフォームを作ることです。私は歯科医師として地域社会に貢献する旅を続けながらも、若者が輝くことのできる未来の創造に尽力していきます。