あなたたち若者こそが未来

僕はこじんまりした島々が集まったマーシャル諸島の出身だけど、11 年間、アメリカのメイン州で育った。学校では、僕だけが褐色の肌で何 だか居心地が悪かったし、英語が話せず、クラスメイトからいじめられた。

でも、自分のアイデンティティを恥じる必要なんかなかった。それは問題 に気づくきっかけになったから、はみだすことは必ずしも悪いことばかり じゃないと思ったんだ。中学で公民権運動について学んだとき、変化を起こすために行動をしようと情熱が湧いてきた。 高校生のとき、メイン州からマーシャル諸島へ戻った。それまでは青々とした森が身近にあったのに、道の両側に広がるビーチが突然現れたんだ。 その劇的な違いを目の当たりにしたことは、僕が自国とその文化に目覚め るきっかけとなった。

多くの開発途上国と同様に、この国にも不平等があって、若者が発言し たり、リーダーシップを発揮する場所がほとんどない。僕はここマーシャ ル諸島で社会的規範に挑戦したいと考えている。これまで僕はこの国の課題を改善したくて、さまざまな試みを行ってきた。高校時代には、10代の妊娠率の高まりに注目し、地元の NGO の JNJIE ※ 1 から入手したコ ンドームやパンフレットを使って、安全なセックスについての意識向上を 図った。その後、国内初の LGBT+ の若者の平等を目指すプロジェクト

Brighten the Rainbow を立ち上げたり、核に反対する映画を制作したり、 国連の国際移住機関(IOM)とともにワークショップを立ち上げて、若 者たちに気候変動と闘うための方法を指導した。Youth National Dialogue というイベントでは、政府への提言書を学生たちと作成し、若 者がさまざまな機会を与えられ、気候変動に関する意思決定に参加できるように提案した。 僕の夢は、若者たちが意思決定プロセスに携わることができる未来をつくることだ。そのために、島の社会的規範に挑戦し続けるとともに、世 代間の対話を大事にする。そして、こうしたビジョンを周辺諸国にも広 げて、すべての太平洋の若者に正統性をもたらすことを想い描いている。

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