私は陸に囲まれたアジアの国、モンゴルに生まれ育ちました。大学でビ ジネス学を学ぶためアメリカへ渡り、帰国後はスタートアップのテクノロ ジー企業に就職しました。それは順調なキャリアでしたが、ある出来事が私の社会への見方をがらりと変えることになりました。若者の課題や地域
開発に取り組む地元 NGO の Young Leadership プログラムに参加したの です。そこで小児がんを患う子どもたちと一緒に活動したことで、自分は もっと社会に貢献できることがあるんだと気づきました。これがきっかけ で私は転職し、そのNGOで若者のために働き始めたのです。
モンゴルは、約300万の人口のうち圧倒的多数が 35 歳未満、つまり若 者の国なんです。けれどその多くが、生活を支える持続可能な雇用を得ら れずにいます。国連の報告書※11 によると、モンゴルでは教育を終え、就 職するまでの移行期に平均 2.9 年かかるそうです。これほど長期にわたり 職が見つからないため、多くの若者は大学教育を受けたにもかかわらず、 非正規雇用を選んでいます。社会から取り残された地域では、教育や社会サービスなどが限られているため、より深刻な状況にあります。 この問題を解決しようと、私は 2 4 歳のときに Sustainable Employment for Youth プログラムを考案しました。参加者たちに履歴書の書き方や面接など就職に必要なスキルを教え、さらに学歴や興味に合うインターン シ ッ プ を斡旋しています。この開始以来、参加者の 9 5%が持続可能な仕 事に就くことができました。
私の目標はこのプログラムを拡大して、もっと多くの人々が夢の仕事に 就けるよう支援することです。すべての若者が輝かしいキャリアを築ける、もっと公平な世界をつくりたいと夢見ています。