アフリカにおけるデジタル・テクノロジーの到来は、アフリカの人々に とって真の資産となっている。これらのツールがあるからこそ、アフリカ の若者たちはデジタル・コミュニケーションを通じて統率力を持って市民活動に参加できるようになり、世界が変革されつつある。 しかし、2015 年、私が学業を終えて帰国してみると、特に首都周辺部の若者たちにとって、世界の他地域に比べて遅れていることに気づいた。 私はコンピューター・エンジニアとして、DIGITAL LITERACY という プロジェクトを立ち上げ、ディジャールという地域に住む若者たちにコン
ピューターの基礎的なトレーニングを提供することにした。この地域は首 都ビサウの近郊にあり、人口の 6 割を若者が占める。コンピューターに 触れたこともなかった若者たちがインターネットにアクセスし、世界の コミュニティと交流し、教育コンテンツを利用し、人生を切り拓いていけ るようになるのだ。若者たちにこのプロジェクトを紹介したところ、すぐ に強い関心を持ってくれた。初めてコンピューターの電源を入れた日、こ れまで触れる機会のなかったこのツールを前にして、若者たちの顔は晴 れやかに輝いていた。
私の国ではデジタル改革が遅れている。原因の一つが電化の遅れで、 政府はこれにずっと苦労している。草の根レベルでデジタル・インクルージョンを促進させる一方で、まずエネルギー問題を解決しなければならな い。そして、テジタル・デバイドやエネルギー問題と同様に、生活に必 要な水の利用についての問題を抱えていることも分かった。
同じく 2 015 年に帰国してすぐ、私は国中を旅するプロジェクトに参加 した。旅の間に、クンティマというビサウから遠く離れた地方の町を訪れ た。国連のプロジェクトによって、いくつかの井戸が設置されていたが 衛生設備はとても劣悪で、人々は汚れた水を飲んでいた。比較的水の利 用に関して開発の進んでいるセネガルに住んでいたので、私はこの現実を見て、誰もが安全な飲み水の利用を保証する必要性を痛感した。私は、 きれいな水が得られない遠隔地に水飲み場を寄付するために人々を動員す るという計画を立てた。現在、UNICEF は、多くの場所に水飲み場をつくっ ている。また、きれいな水の利用を保証する大きなダムプロジェクトを設 立することを、政府が約束しなくてはならないと考えている。
テクノロジーの知識や安全な飲み水といった生活に必要なものを、あら ゆる人々が利用できるようになれば、私たちはより健康で、より生き生きと人生の喜びに満ちた世界を手にできる。それが、私の夢見る世界なのだ。