私は社会学者として、あらゆる命が共感の上に成り立っている世界につ いて学び、その実現を夢見ています。共感があれば、私たちは近くの人々 とも遠くの人々ともつながることができるのです。それは憎しみと恐れを
思いやりに変えるのを助けることができ、私たちは苦しみに向き合う気持 ちになれます。世界は、心身ともに苦しむ人々の少ない場所になることで しょう。
5 歳のとき、休暇を終えてモンテビデオに帰ると、極貧の子どもがごみ のなかで食べ物を探しているのを見ました。私はこらえきれず泣いてしま いました。ショックでした。モンテビデオから 300kmの漁村から戻ったば かりだったから。そこでは、人々の暮らしは穏やかで、たくさんの魚を海で獲って食べることができたのです。 父は私を抱きしめてくれました。この経験は私の人生に重大な影響を残すことになりました。「どうして飢えている人たちがいるの?」このこ とが私を突き動かし続け、私という人間を形成する原動力の一つとなりま した。
ウルグアイでは飢餓を撲滅するため、いろいろと取り組んできました。 飢餓は全人類が直面する大きな問題です。しかし、私たちの国に住む人々、 特に貧しい子どもたちは、栄養失調に苦しんでいます。食品の商業化によって、食物の加工と分配は、限られた少数の人々の利益を大きくするこ とを求める、市場の手にゆだねられています。それによって、食べ物を買 う余裕のある人々とない人々の間で格差が生じてしまっているのです。
私たちの国には、マテ茶を友人や家族、同僚、そして見知らぬ人たちと さえも分かち合うという習慣が広く受け入れられています。食の領域でも、 ちょっと立ち止まって、恵みを分かち合う関係を取り戻すべきなのです。 みんな一緒に生き延びるためにも、共感、思いやり、配慮に基づいた教育 が食の平等につながり、人々が生きる喜びを感じられる世界にしましょう。 みんなで味を、喜び噛みしめ合いましょう!