僕はピレネー山脈の真ん中で生まれた。星空に手が届きそうだった。だ から、宇宙飛行士になって銀河系を旅することを夢見ていた。それに、際 限なくアイスクリームを食べるのも夢だった。
僕たちは成長するにつれ、内なる小さな声に耳を傾けながら、自分自身 から多くのことを発見して学ぶ。僕が発見したのは、誰かに親切にしたり笑顔にするのはとても気持ちが良いということだった! こうしたことに 専念するうち、僕にはポジティブで意味のある影響がもたらされたから、もっと進んで取り組むようになった。地に足がついた若者として、僕は夢 を描き続ける方法を見つけられたんだ。
ヨーロッパの他の国と同じように、アンドラでは自分たちがいかに幸運 なのか気づいていない人が多い。若者たちは学校でも就職でも激しい競争 にさらされているけれど、世界の他の場所で起こっていることに比べれば 大したことではないと思える。若者が成功する機会にも安全にも自由にも 恵まれていない場所がある。今、僕たちがいるところにたどり着くまでに どんなことをくぐり抜けてきたのか。僕に言わせれば、それを理解するた めに、もっと歴史的・文化的な観点が必要だ。その上、どんなに情報を持っ ていたとしても、簡単に自分の殻に閉じ込もり、世界から目を背けてしまう。 そんなシステムのなかで僕たちは暮らしている。おそらく激しい消費主義 や個人主義への傾倒がこうした状況に大きく影響しているのだけれど、あ まりにも深く定着しているので、修正できないと思われるのだろう。夢追 い人でいること、価値のある目的に身を捧げることは大きな勇気が必要だ。 僕たちの注意を奪うものが多すぎる。
変化を起こすには、国際機関では思っているより時間がかかるかもしれ ない。だけど、「速く進みたければ、1 人で行きなさい。遠くまで進みたけ れば、みんなで行きなさい」というアフリカの格言がある。僕たちには
SDGs のように共通の目標に向かって一緒に取り組んでいく力と基本的な 目的があると信じている。僕は現在、欧州安全保障協力機構(OSCE)の 人材開発部門で働き、組織全体のプロフェッショナルな成長を目指して最 先端の手法で学びの機会を提供している。最高レベルで変化を起こし続け られるように職員のスキルアップをすることが目標で、人道支援と持続可 能な開発という観点から、より効果的で共感で成り立つ仕組みをつくるの が僕の夢だ。頼まれなくても、僕たちは地球上の命や地球の運命を守る存 在となる。みんながもっと良い現在を手に入れ、公平で安全で緑にあふれ た未来を手に入れるために、ともに取り組んでいこう。