私は、ブラジル中部のウルアクという小さな町に生まれました。コンピュー ターに好奇心をそそられたのは、8歳のときのこと。当時、わが家にはまだ パソコンがありませんでした。パソコンを持っているのは高所得者だけだっ たのです。だから、パソコンを持っている近所の人の家に行ったときは、い つも目を輝かせていました。
子どもの頃の好奇心をそのままにコンピューター・サイエンスを学びたく て、私は Federal Institute of Goiás(IFG)という学校に入学し、工業科で情 報学を学びました。それからこの分野をもっと深めたいと思って、Federal University of Mato Grosso(UFMT)で学位を取ることに決めました。卒業 研究のテーマは、大豆の病気について、気象データと過去の病気のデータか ら AI を活用して拡散を予測するというもの。ありがたいことに、この研究をまとめたポスターが、Brazilian Congress of Precision Agriculture(ConBAP) というイベントで最優秀賞に選ばれました。複雑な現象をまとめ上げ、変化を生み出すことができる A I の力を実感した、初めての瞬間でした。
自分の選んだ分野について、ますます自信を持つようになった私は修士課程で AI と社会科学を学び、今後は博士号取得のためにバルセロナに留学し、 さらなる A Iの研究に取り組みます。AI は人類の幸福に貢献できるという確信が、私のなかでますます強くなる一方です。
私は、生命という巨大で複雑なパズルのほんの一部分を占める小さなピースでしかありません。それでも小さなピースの起こした行動が、他の人々の 人生にも大なり小なり変化をもたらしうることを実感しています。私たちの 言葉と行動には力があり、私たちの物語は誰かの人生を変えることができま す。そして、テクノロジーを味方につけるなら、変化の可能性はますます広 がっていくでしょう。
社会における善なる力としてテクノロジーを活用し、それによって変化を 遂げた世界の姿を見られる日まで生き続けることが私の夢です。そしてそれ までの間、毎日 1 % ずつ昨日よりも良い人間になっていくことが、私が毎日願う夢なのです!