私の愛する祖国では絶え間ない内戦が続いています。けれど、国際社会は この美しい地に平和をもたらす努力をほとんどしてきませんでした。私は競 い合う世界に疑いを持たずにきました。自然がもたらす限られた希少資源を めぐって競い合う世界を。また、持てる者は持ち続け、持たざる者は貧しい ままなんだと思うようにもなりました。社会が考え方を変えない限り。でも、始まりがあれば必ず終わりもあるということを経験から知っています。
私の夢、それは祖国が立ち直り、平和な国という失われた栄光を取り戻す こと。この夢はイエメンだけでは終わりません。紛争や戦争のない世界へと 続いていくものです。この夢をかなえるには、私たち一人ひとりが、世界は 人々が共存する村であると気づかなくてはなりません。国際機関が平和を押しつけることはできません。人々が自分から共同体として生きる大切さを理 解しなければなりません。世界中に政治のリーダーはずっと存在してきまし たが、自分たちの利益のことしか考えていません。私は社会の政治行動を研 究してきました。すべては私たちの態度から始まると確信しています。私たち全員に、称賛したくなるような地域社会をつくる責任があります。ふさわ しいリーダーに投票し、政治に全面的に参加することによって。
今、私はチェコで国際関係論と政治学を学んでいます。世界中から集まっ た学生たちとの交流を通じて、私は気付きました。安定した社会を築くため に人々が力を合わせて取り組める努力があると。今まで、他国によるイエメ ンへの介入は軍事的なもので、罪のない民間人に死をもたらしただけでした。 武力では世界を解放できません。紛争を収め平和を取り戻すには、私たちの 総力で政治を変え、対話を通じた平和的な交渉を行うことが必要です。
かつてイエメンは、「幸福なアラビア」の地と呼ばれていました。古代ア ラブ文明の時代の繁栄や、旧約聖書の時代から続く、人々の飾らない親切な 心が理由です。私はイエメンの若者たちの存在こそがこの国を支えると信じ ています。だから、今後も紛争解決について学び続け、若者たちが社会での役割を全うできるよう鼓舞したいと思います——故郷に笑いと幸福を取り戻 すために。