2016 年、コロンビアは半世紀以上に及ぶ内戦の末、最大のゲリラ組織 であるコロンビア革命軍(FA R C )との和平合意による交渉を終了しました。
内戦はコロンビアの最も美しい風景のいくつかを隠してしまっただけでな く、農村部の住民の機会を蔑ろにしてしまいました。とは言え、自然の楽園はもはや戦場ではなくなりました。砂漠、峡谷、山脈、太平洋やカリブ 海のビーチからアマゾンまで、コロンビアは観光業を発展させる比類のない可能性を秘めています。
私は、遠く、知られざる「魔法の場所」を探索してみたいという国内外の旅行者を魅了するような旅行代理店をつくるという夢を描いています。 地元の人々の機会とサステナブルな観光モデルを統合し、内戦の犠牲者は もちろん、社会復帰を目指しているゲリラの元メンバーをツアーガイドとして雇用したいと強く考えています。
ゲリラの元メンバーは過去にしてしまったことのために社会復帰への扉は閉ざされ、ほとんど職業選択の余地がありませんでした。和平条約締結後、 政府はゲリラの元メンバーに新たな可能性を与えるべく、さまざまな分野 で新たな雇用創出の可能性を切り拓きましたが、暴力や戦争の被害者と信頼関係を築くことは難しく、非常に困難な状況にあります。また、ゲリラ の元メンバーの多くは子どもの頃から暴力の世界に染まっており、教育の 機会を奪われたまま大人になっています。この点でもまともな仕事を探すには不利なのです。
しかし、そんな彼らしか知らないことが、実はたくさんあります。彼らは人生の大半を素晴らしい自然のなかに潜み、そこを家として過ごしてき ました。このような不思議な場所、そこにいる動植物の種類といった知識 が豊富な彼らは、ツアーガイドとしても最適だと思います。
セカンドチャンスはあるべきです。憎しみを協力に置き換え、人々を結 びつけることで、暴力に彩られた文化を根絶させ、平和と繁栄の文化へと 変えることができると考えています。かつての戦場をオンリーワンの観光 地に変え、地域住民に尊厳のある仕事を提供し、紛争後のこの時期にチャンスを生み出し、観光業を強化して本質的に経済に貢献することは、win- win のシナリオだと思います。
私はムハマド・ユヌス教授の哲学を信じています。彼はそのなかで、私 たちは求職者ではなく、仕事を創造するべきだと説いています。「2030 年 までに誰もが個人的な利益のためにお金を得るのではなく、問題を解決するために仕事を創出するならば、問題はなくなる」と主張しています。私は、 私の国が平和的な統一に向けて移行していくなかで、影響を与えていきた いと思っています。