私は学校ではずっと理科が得意で、科学者と彼らが人類にどのように 貢献してきたか、本を読むのが好きでした。このようにして、私は科学へ の興味を深めていきました。自分の知的限界を押し広げることができ、少し運が良ければ、ある分野で革命を起こせるような道を探していたのです。 そんな願望を抱いて、私はバングラデシュのトップ大学の一つで化学の研究を進めました。しかし、すぐに、南北の知識格差のためにグローバル・ サウス(南の発展途上国)出身の科学者が与えられる影響がいかに小さい かに気づいたのです。そこで私は、従来の科学者のキャリアを歩むので はなく、科学によって人々の生活に影響を与える仕事に邁ま い進し んしていこうと考えました。 農業は、科学やテクノロジーによって、最貧層にいる人々に最高の変
革がもたらされうる分野の一つです。私の父は肥料工場で働いており、 海岸沿いの郊外の街で、農場に囲まれ、植物でいっぱいの家で私は育ち ました。こうした環境で育ったからこそ、作物生産における問題の解決に最善を尽くそうと思ったのです。 農家の行動に影響を与え農薬の使用を最適化する機会を得て、mPowerSocialというバングラデシュに拠点を置く ICT4D 企業※6 とともに心血を 注ぎました。農薬の過剰散布は、農家の経済的損失を増大させ、環境破 壊や土壌劣化を引き起こし、食の安全を脅かします。しかし、作物が枯 死する病気など、壊滅的な植物の病気から食料と収入の安全を確保する には、化学薬品が唯一の手段であることがよくあります。そこで、私たち は、携帯電話を通じて、作物を守るため保護のため予防措置をとれるよう に個別のアドバイスを提供するソリューションを開発しました。
GEOPOTATO と名づけたこのソリューションは、2018 年からバング ラデシュで運用されています。このシステムは、衛星データと気象データ、 そして作物の成長モデルを組み合わせて、ジャガイモの疫病の発生リスク を局所的に推定します。疫病発生の可能性が閾値を超えると、農家にメッ セージが送信されます。これにより、農家は予測された病害に対応した殺菌剤のみ散布すればよいことになります。
2020 年、私たちはバングラデシュで 7 万人以上の農家にサービスを提供し、そのポジティブな影響はイェール大学などの著名な研究機関から も報告されています。また、製薬会社バイエルの支援を受けて、バングラ デシュで商用モデルとしての検証も行っています。世界中のジャガイモ 農家の最良の友として、GEOPOTATO を拡大していきたいと思ってい ます。それが私の夢です。
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