まわり道でも夢は途切れない

自分の夢と力を信じれば、できないことはない。

子どもの頃、いつも自分の将来について考えていました。外交官になっ て国際社会で働きたい。そうでなければ法律家。一人ひとりの権利を守る という考えが大好きだったのです。にもかかわらず、こうした夢とはかかわりの薄い経済学を学ぶことになりました。私の居場所じゃないと感じ ました。私の仕事はどこにあるの? 私の使命は? いろいろなことを考 えすぎて生きる気力すら失いかけたほどでした。

修士課程に取り組んでいたとき、転機が訪れました。模擬国連を初めと するさまざまな国際会議に参加する機会を得たのです。外交官にならなく ても、国際社会を相手に働くことができると気がつきました。さらに 2019年、One Young World サミットに参加しました。なかでも私の心を揺さ ぶったのはジェーン・グドール博士の言葉でした。「一つの種が絶滅した だけでも、そこから生じた連鎖反応によって、生態系全体が破壊される」 私ははっと気づきました。住んでいる場所にかかわらず、自分がやるべ きことを見極め、実行する。そうすれば世界全体に影響を与え得る。自分 の進むべき道が見えた瞬間でした。

私の夢は、さまざまな国々と協力し合いながらカザフスタンの世界的 地位を向上させることです。この夢に向かって、自分の研究と実践を融 合させ、それを若者たちのために生かしたいと考えています。2 7 歳で私は、 経済学の博士課程の学生になり、カザフスタンで可能なイノベーション に関する研究を続けています。私はまた、この国の観光業に関する論文を 書いています。観光業を促進し、世界中から若者を呼び込むことができ れば、カザフスタンを世界的な教育の中心地として成長させることができます。そうすれば、国際社会のなかでカザフスタンの地位が強化され、し かも同時に世界中の若者たちを育て、人々の権利を守ることにも貢献でき ます。まわり道をしましたが、私は、国際的な目標に向かって進んでいま す。その一歩一歩に生きる意味を見いだしています。

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