子どもの頃から自分のまわりにある解決できそうな問題に悩まされてき た。古くて危ない校庭から社会にはびこる不正といった大きな問題まで。 幸い、私は問題を傍観するだけではなかった。自分のまわりにあるもの を改善したくて、清掃活動、募金、食品の回収など、どんな小さなことでも機会があれば飛びついた。何年にもわたり、海外で若者が教育を無償で受けられる機会をつくったり、困っている人のために大量の食料を集め たり、数百時間に及ぶ講演活動に取り組んできたが、そのすべてをボラン ティアで行った。「自分に関係ないことなのになぜやるのか?」「あなたの ためになるの?」これまで数えきれないほど聞かれた。何か良いことをするのに、私の活動から生まれる笑顔や感謝の気持ちは十分すぎる理由にな ると思うが、小さなポジティブな変化を率先して起こすことがなぜ大切な のか、いつも説明してきた。
時が経つにつれて努力が認められ、多数の賞を受賞し、若者の失業率 が 30%を超えるモンテネグロで、大学を卒業したばかりの私がいくつも のグローバル企業から高給のオファーを得た。私が持っている主要なスキ ルが得られたのは勉強していたからではなく、新しいプロジェクトを立ち上げたり、多くの人とコミュニケーションを取ったり、少額の寄付金の管 理をしたり、学校の外での活動に何時間も費やしたからだと気づいた。
そこで、みんなが実践的なスキルを身につけ、エンパワーしたいという 強い気持ちが生まれ、私は Movement for Cooperation and Development of Youth を立ち上げた。ここで、周囲の人々のためにポジティブな社会 的インパクトを生み出したいと考える若者に、知識や財源、サポートを 提供している。また、若者が将来より良い人間になるために日常で必要 なこと、より良い仕事に就くために職業人生で必要なことを学べるのだ。すでに 300 人以上がさまざまな講座や支援を受け、その多くが仕事を見つ けて平均以上の給料を得ている。
教育の質を向上させる方法は「教室の外での学び」だと、自分の経験 から実感した。社会的なインパクトを生み出すことは、共感力、コミュ ニケーション力、専門的なスキルの開発を促し、問題を解決したり、他 者や自分自身の人生を改善するチャンスにつながる。私の夢は、こうし たノンフォーマル教育※ 3 を自由かつ平等にすべての若者が受けられるようにすること。これが実現すれば、私たち若者の手によって世界をより良 く、より早く変えることができるだろう!