若者を教育の中心に

 新型コロナウイルスの蔓延で、教育の舞台が学校からオンラインへと変わったとき、変化の当事者である生徒たちが、リモートに変わった教育システムに対して思っていることを何も聞かれていませんでした。これをきっかけに、生徒たちが教育の主人公であると思っている人たちはごくわずかなのだと気が付きました。

 私は教育活動家として、誰もが生まれた場所や家族の社会的経済的レベルに関係なく、質の高い教育を受けられるように活動しています。同時に、生徒たちが教育を受けるだけでなく、教育システムを作ることに意義があると信じています。私の夢は、教育を変えるためには若者が不可欠だという認識を広め、社会運動を生み出すことです。「グレタ・トゥーンベリ」という名前を聞いて何が連想されるでしょうか?おそらく地球温暖化を防ぐための社会運動などでしょう。何より、若者が率いる社会運動が頭に浮かぶのではないでしょうか。私の夢は、若者が率いる、より良い教育を目標に掲げた社会運動を引き起こすことです。

私が子どものときから、学校で勉強できることは、私にとっても私の家族にとっても、とても大切なことでした。なぜなら、将来のより良い生活に繋がると信じていたからです。私は私立の中学校に通うことや、大学に進学することができました。しかし、父母は子どものときにこのように恵まれていなかったことも知っていたため、この機会を活用しようという責任感が生まれました。大学に通うのは容易ではありませんでした。大学での勉強や教育について考えることを優先しながらも、学費を支払うために働いていたからです。私の家族は、私が勉強することをいつも応援してくれました。高校の宿題をやっていたときに祖母が私のためにご飯を作り、見守ってくれたことを今でも覚えています。だからこそ、大学を卒業できたことは私の人生で最大の成果です。

 自分は何ができるのかと迷っている人たちへ。自分のストーリーを大切にしてみることから始めてはいかがでしょうか?自分を作り上げる経験は、自分の情熱や「Why?・なぜ?(目的)」に深く繋がっていることでしょう。私は、限られた教育しか受けられなかった父母と祖父母に囲まれて育ちました。この経験が、教育を一部の人の特権ではなく、誰もが受けられるものにしたいという情熱に繋がり、教育活動家になり、そして国連の公式な組織である、UNESCO SDG4Youth and Student Networkで過去に代表者を務めたことや、若者が率いる、教育を変えるために団体、One Generationの創設者と理事になることに繋がりました。現在は、教育についての情報を得やすくし、国際レベルでも、若者が、SDGsの目標#4である、『質の高い教育をみんなに』届けられるように取り組めるプロジェクトを立ち上げ、若者が教育の変化に携わることを、私の母国であるアルゼンチンで制度化できるように活動しています。草が根から育つように、教育にまつわる社会運動を徐々に育ててゆくことが私の最大な目標です。教育をより良くするための社会運動は、私たちの未来を左右するからこそ必要なのです。

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