正義なくして平和なし

世界にたくさんのものをもたらしてきたアフリカ大陸の現状が、なぜこ のようになっているのか、私は理解に苦しむ。最大の理由は汚職と不正だ ろう。私たちが闘えば、アフリカ大陸が台頭できると私は信じている。私 の最大の夢は、アフリカ大陸が本来あるべき姿を取り戻すことだと言えよう。

私の国、マリでは庶民が苦難と貧困のなかで暮らしている。現在マリで 起きている反乱や紛争は、汚職による不正な権力がもたらしたことは疑い えない。一方で、支配体制や政治家は極端な貧困は国民の落ち度だと見なし、国民を置き去りにしている。最も失望した人々が過激化してしまう。 この国のほとんどの人々は、自分たちのニーズと権利に寄り添った献身的 な政府を求めている。私は、人々が希望を持って生きられるようにして、国家の失敗を防ぐことを夢見ている。 夢を実現するために、まず何よりも必要なのは正義だ。正義がなければ平和はありえない。汚職は社会的な不平等と格差を生み出す元凶である。 私たちはこれに立ち向かわなければならない。そのためには厳格な法律を 確立し、国民が教育や財、サービスに平等にアクセスできる機会を生み出す。そしてこれを支えるのは、社会的なイノベーションだろう。私たちは、 社会的ニーズをより効率的に満たすことができる新しい社会的実践を取り 入れなければならない。これらの目標に向けて、私は、マリの発展に若者 が最大限貢献できるようにするために、若いリーダーのためのプラットフォームである Youth For Change Mali を設立した。私たちは約 1 万 4000 人の若いボランティアを擁し、さまざまな分野でマリ人の生活に影響を与 えている。

私たちは激動の時代を生きていることに疑いの余地はない。マリのモッ トー “One people, One Goal, One Faith”(一つの国民、一つの目標、一つ の信念)で見事に表現されたマリ人としての強い意志が、私たちの国でより良い生活状況を成し遂げるために必要な気力と体力を与えてくれている。

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