私は夢追い人です。芸術がもっと尊重され、その真価が認められる世界 を夢見ています。私の国では、芸術家たちは彼らが値するほどには大切に されていません。芸術はただの格好良い趣味だと思われがちです。しかし、芸術は人々の人生に重要な役割を果たすことができ、一人ひとりの感情を 揺さぶることができると信じています。
21 歳のとき、パレスチナへ旅をしました。パレスチナを訪れる前、知っ ていたのはメディアからの情報だけ。私は自分の目で現実を見なければな らなかったのです。パレスチナ人の人権の欠如は信じられないほどです。 パレスチナ人は危険だという考えに洗脳された人たちは、話す機会さえ彼 らに与えません。ここから私は、声なき人々、つまりパレスチナの人々の声を、私の絵画を通して代弁し始めました。パレスチナの人たちから、私 のような芸術家がこの世に存在することに感謝している、と言われたこと もあります。私の芸術を通して、彼らに希望を与えています。何と言っても、私たちはみな、人間です。肌の色、民族性、宗教は関係ありません。この 旅は私を人として、芸術家として変えてくれました。こうやって人は最大 限に学べます。立ち上がって、行動を起こせるのです!
この体験から、夢がもう一つ 生まれました。互いを尊重し合える世界に 生きるという夢です。互いの違い、特に文化の違いを受け入れる世界です。 実現させるためには、自分自身にこう問いかけることがとても重要です。
「他者のために何ができるだろう?」と。 私には住む家があり、着る服があり、食べる物があります。周囲の世界が文字通り崩壊している人々がいるなかで、私と同じような条件で暮らし ている人たちが何もかもに文句を言うのは納得できません。ポルトガルに はこのことをよく表した表現があります。「お腹いっぱい食べて、文句を言うな!」
ローマ教皇、故ヨハネ・パウロ 2 世は、かつて芸術家に宛てた手紙でこう書いています。「芸術家は、自分の『天てん賦ぷ の才』を自覚すればするほど、いっ そう自分自身と創造物全体を、静観し感謝のまなざしで見るようになりま す。そして神に賛美の歌を捧げるようになります。これこそが、芸術家が 自らを、天職を、使命を完全に理解できる唯一の方法です」
芸術は人生を変えることができます。そのチャンスをください! 絵画 を通して私は人の心を動かし、誰も話したがらないことを擁護したい。政 治演説や果たされない約束はもうたくさん。私たち芸術家に、与えられた
才能で大切なことをやらせてください。私たちには使命があるのです!
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