島々からの声に耳を傾けて

セーシェルのような小さな島国は、気候変動の原因にほとんど加担して いないにもかかわらず、その影響を最も受けやすい国に挙げられます。適 切な対策が講じられなければ、その影響はひどくなる一方だと予測されて います。私は成長する過程で、気候変動が引き起こす破滅的な影響を、ま さに目の前で見てきました。海面上昇によって、大好きなビーチが海に消えていくのを見ました。異常気象のために、耐えられないほど気温が上が るのを体感しました。気候変動の脅威によって、大量のサンゴが白化し、

固有種が絶滅し、友達やさまざまな家族が家を追われるのを見ました。
2 013 年にセーシェルのアンス・オー・パンで洪水が起きたとき、私は その対策チームの一員でした。熱心なボランティアとして、すでにセーシェル赤十字社などの国内の N G O と深くかかわっていたのです。サイクロン・ フェレンがもたらした大雨に高潮が重なって深刻な洪水が起き、沿岸地域 は壊滅的な被害を受け、インフラへのダメージは広範囲に及びました。

この出来事は私たち島民への警鐘となりました。また、若者たちによる 国際イベントに参加したおかげで、セーシェルが直面する課題は、他の島 国にも共通していると気づいたのです。こうして、SIDS Youth AIMS Hub(SYAH)を共同設立しました。これは7つの小さな島国が加盟する 若者たちの地域ネットワークです。私たちのコミュニティ、国、地域、そして地球をより良い場所にするために協力し、若者主導のプロジェクトを それぞれの島で同時に展開しています。SYAH の活動を通して、私は自分 の声を聞いてもらえていると感じています。大きな力をもらい、世界に重 要な貢献を果たせていると感じています。同じ志を持つ人たちとの出会い は、私たちに必要な世界の姿、そして、未来の世代が受け継ぐ世界の姿を 追求する原動力を与えてくれます。私はもっと多くのセーシェル人や一般 の若者たちに変化をもたらす力を持ってほしいと思っています。政府に もっと要求したり、環境に優しいエネルギーを提唱したり、二酸化炭素の排出を減らそうと持続的に取り組んだりなどです。 私の夢は、誰もが明日の世代のために今日の資源を守ろうと努力する、そんな世界に住むことなのです。世界がついに小さな島国の願いに耳を傾 け、気候変動への取り組みが高まっていくことを夢見ています。私たちの 暮らしは危機に瀕しています。得られる限りの支援を必要としています。 大きな支援も小さな支援も。

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