8月20日から24日にかけて法政大学で開催された、中高生向けサマーキャンプ「HOSEI GLOBAL CHALLENGERS CAMP 2026」に、アゼルバイジャン、バルバドス、ケニア、レバノン、フィリピン、パキスタンを代表するグローバルリーダー(ドリーマー)たちが集まりました。
このサマーキャンプでは、全国から集まった日本の中高生が「グローバルを問い直す〜全国の仲間と共にみつける将来の自分〜」をテーマに5日間かけて理想の未来教室を英語で考案しました。彼らの学びを深めるきっかけとなった企画の一つが、世界各国から集まった”ドリーマー”との対話セッションです。
ドリーマーとは、世界196カ国以上の社会起業家や活動家たちのこと。自国の課題に向き合いながら夢を追う彼らとの出会いが、生徒たちに大きな影響を与えることになりました。
「誰の話を聞くか」から、自分で選ぶ
今回、生徒たちと対話をしたのは以下の6人のドリーマーでした。

- 🇦🇿 アゼルバイジャン:アイスンさん(教育/安全保障)
- 🇧🇧 バルバドス:ロネルさん(ジェンダー平等)
- 🇰🇪 ケニア:スティーブンさん(公衆衛星・社会起業)
- 🇱🇧 レバノン:アリッサさん(難民支援・教育)
- 🇵🇭 フィリピン:アリーザさん(平和構築)
- 🇵🇰 パキスタン:ジョンさん(教育)
生徒たちは事前にドリーマー全員のプロフィールを読み込み、「この人の経験をもっと聞いてみたい」「グローバルについて話してみたい」と感じた相手を、自分の意思で選びます。自分で選んだ人の話を聞くことで、ドリーマーのストーリーに積極的に耳を傾け、それぞれの経験や価値観に触れながら、生徒自身の知識や視野を広げることにつながりました。
英語の上手さではなく、「伝えたい」という想いを

このセッションのもう一つの特徴は、1時間にわたるドリーマーとの対話を、すべて英語に加えてAI自動字幕で行うことです。サマーキャンプの最終日に英語でのプレゼンテーションに挑む中高生にとって、自分の思いを英語で相手に伝えるためには何が必要なのかを、身をもって学ぶ機会となりました。
初めての英語でのセッションに不安を感じる生徒もいましたが、周りの仲間やメンターと協力しながら、相手の話に耳を傾け、自分の考えを伝えていきました。言葉に詰まったり、うまく伝えられなかったりしながらも、伝えようとする姿勢そのものが、少しずつ対話を生み出していきました。
大切なのは、自分の言葉に思いを込め、相手に届けようとすること。この45分間の対話は、語学力を試す場ではなく、「伝える」ことに挑戦する場となりました。英語で誰かとつながるという経験そのものが、5日間にわたる挑戦の大きな一歩となったのです。
6つの教室、6つの対話から得た気づき
対話を終えた生徒たちからは、それぞれのドリーマーとの出会いを通して、さまざまな気づきや学びが寄せられました。
生徒の声
🇦🇿アイスン氏と対話・Aさん(高校2年生)
「海外に行くことで、自分の視野が広がると分かりました。アイスンさんのお話を聞いて、私もトビタテのようなプログラムを通して、いつか留学に挑戦してみたいと思いました。」
🇧🇧ロネル氏と対話・Bさん(高校2年生)
「ジェンダー平等について、『法律や制度を変えることと、人々の意識を変えることのどちらが重要か』という質問をしました。その中で、『声を上げて反論すること』や『できる限り最高の自分になること』という、自分では思いつかなかった考えを聞くことができました。今まであまり向き合ったことのなかった問題について詳しく話すことができ、とても貴重な経験になりました。」
🇰🇪スティーブン氏と対話・Cさん(高校1年生)
「失敗したり、諦めそうになったときにどうするのかを質問したところ、『寝ることも大切』という答えが印象に残りました。考えすぎて疲れていると、ネガティブな考えに陥りがちだけれど、寝ることで気持ちをリセットし、またクリアな気持ちで考えられるという話を聞き、印象に残りました。」
🇱🇧アリッサ氏と対話・Dさん(高校3年生)
「アリッサさんがさまざまなボランティアに挑戦していることがとても素敵で、自分も真似したいと思いました。特に、レバノンに流れてくる難民に対して、物資支援や教育支援を行っていることが印象に残りました。小さなことでも挑戦し、貢献することがグローバルリーダーへの一歩だと知り、私もまずは小さなことから行動してみたいです。」
🇵🇭 アリーザ氏と対話・Eさん(高校2年生)
「グローバル化は世界平和につながるという話が印象に残りました。さまざまな国に友達がいれば、その国で起きていることを自分のこととして考えられるという考え方に共感しました。また、違いを良さとして認識し、相手を理解することや、行動する前にまず立ち止まって話を聞くことの大切さも学びました。」
🇵🇰ジョン氏と対話・Fさん(高校1年生)
「ジョンさんの夢が、単に言語を教える教育者になることではなく、教育を通して社会の中で人を助けることだと知り、感心しました。さまざまな事情があっても、教育の質はすべての人にとって平等であるべきだという考えに強く心を動かされました。今日学んだことを、これからの自分の活動にも生かしていきたいです。
本の中で出会った「夢」と、数年越しの再会

また、このサマーキャンプで生徒たちをサポートした法政大学生メンターの中には、高校生の頃に書籍『WE HAVE A DREAM 201カ国 202人の夢 × SDGs』を読んだ経験を持つ学生もいました。当時、平和や国際問題に関心を持っていた彼女にとって、世界中に自分と同じように夢を追いかける人々がいること、そして一人ひとりのストーリーを知ることは、大きな支えになったといいます。
そして数年後。大学生となった彼女は、今度はそれぞれの夢を持つ中高生の挑戦を支えるメンターとして、このサマーキャンプに参加しました。そこで思いがけず再会したのが、本の中で出会ったスティーブンさんでした。スティーブンさんのグループを担当した彼女は、かつて本を通して知った「夢を追う人」の姿を、今度は目の前で、よりリアルなストーリーとして知ることになります。
「受験生だった頃、彼の『Take Action!』というメッセージが一番心に響いていました。でも今回、実際に話してみて、そんな彼でも時には立ち止まり、自分の歩んできた道を見つめ直すことがあると知りました。『立ち止まってもいい。でも、必ず前に進む』。文章だけでは分からない表情や言葉の重みから、メッセージの裏側にある本当の想いを感じることができました」
本を読むことで得られる学びに加えて、実際に本人と対話することで、その人の言葉を直接受け取り、自分自身の問いをぶつけることができます。「知って終わり」ではなく、そこで得た気づきをもとに「自分はどうしたいのか」を考え、次の一歩を踏み出す。かつて本の中の「夢」に背中を押された彼女は、今度はメンターとして、次の世代の挑戦を支える側になっていました。
一冊の本をきっかけに始まった出会いが、数年の時を経て、今度は「誰かの夢を支える」という新たな形でつながっていったのです。
「グローバル」を問い直す
HOSEI GLOBAL CHALLENGERS CAMPで行われたのは、単に英語を学ぶための5日間でも、海外の知識を広げるための5日間でもありませんでした。
全国から集まった仲間と出会い、世界各地のドリーマーの生き方や言葉に耳を傾ける。そして、そこから得た気づきをもとに、自分自身の未来や価値観について考え、最後には、それぞれが思い描く「理想の未来教室」を自分の言葉で表現する。
自分とは異なる背景を持つ人の声に耳を傾け、自分自身が当たり前だと思っていた前提を問い直す。そして、また誰かと対話する。その繰り返しの中で、一人ひとりが自分なりの「グローバル」と向き合っていきました。今回の5日間は、答えのない問いを深める旅だったのかもしれません。
ここで生まれた小さな違和感や問い、そしてかけがえのない出会いが、参加した中高生たちの次の一歩を後押ししていくはずです。
あなたの学校で、地域で、企業で
「グローバル教育を、知識の伝達だけで終わらせたくない」
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学校の探究学習、企業研修、地域交流など、目的に合わせたプログラム設計も可能です。
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