セネガルでは、人口の大部分が農村部で暮らしています。農村部では、 行政や学校の基盤が整っていないため、教育があまり重要視されていま せん。伝統的に、特に女の子は早い時期に結婚させられ、教育を受けることは依然として難しいままです。これに加えて、出生届に関する問題があ ります。それは、人口の 23%※ 11 が身分を証明できるものを持たずに暮らしているということです。
このデータによって、子どもたちの教育のために、いかに速やかに行動を起こさなければならないかがはっきりと分かります。とりわけ女の子を サポートして、彼女たちの教育とジェンダー間の平等を促進させなけれ ばなりません。そのためには、まず彼女たちが社会に「所属」する必要 があります。
そこで、私は JExiste という市民団体を立ち上げ、生まれたら誰もが 法的な身分証明(出生証明書や国籍 ) を持てるようにしています。身分 証明書を持ち、学校に通うことが子どもにとって大事なのだと親に理解してもらえるように、人々の意識向上に取り組んでいます。また、出生登 録に関する手続きについて無料で情報提供を行っています。
私はセネガルの南部にあるクッサナルという、人口 2万 5000 人の村で 生まれました。そこでは、インフラ整備の遅れ、貧困、45 度の高温、不 安定な教育状況などにより、あらゆる物事が失敗するように仕向けられて います。私はかつて毎日 6 km の距離を歩いて学校に行きましたが、そんな困難な状況をモチベーションに変えて、絶対に仕事で成功しようと誓いました。
もし私が成功できているとすれば、それは自らを信じること以前に、幸 運にも出生証明書があり、学校に通い、成功への道を選択し、そして最 後まで夢を追いかけることができたからです。私は自力で出世した 1 人の女性です。今日、私が団体を立ち上げ、取り組んでいることはひとえに、 どんな境遇からスタートしたとしても、何でも実現できることを示してい ます。
そういうわけで、私は今、私のような女の子がみんな自分で人生の選択 を行い、成功する機会を得られるように取り組んでいるのです。私たちに できないことはないし、「何もない」ということは私たちには可能性があ るということです。それでこそ、私たちは女性なのです。