私の夢はシンプルです。人類が、他の人々や生き物たち、母なる地球と より健康的な関係を築く世界に住むことです。
都会で育ち、現代的な生活を送っていた私は、無意識のうちに自己中 心的な人間になっていました。現代的な生活が地球全体の健康、その海 や土壌、大気の健康に及ぼす影響を考えていませんでした。社会に合わせ、大学を卒業し、良い仕事に就きました。しかし、私は息苦しくなってい たのです。小さな個室で働いて、閉ざされた金属の箱のような建物のな かを動き回るうちに、ますます自然から切り離され、すっかり途方に暮 れてしまいました。
また、中東という紛争や戦争の多い地域での暮らしは、私の心を悲しみ で埋め尽くしていました。身のまわりで起こる気が滅入るようなニュース を見聞きするうちに、人間性への信頼を失いつつあったのです。そして、 こう思い始めました。なぜ人類は互いにこんなことをしてしまうのだろ う? 存在と存在がぶつかりあう戦いを。
私はこれら 2 点、つまり現代的な生活と紛争を結びつけて考えたこと はありませんでした。それに気づいたのは、One Young World や Global Peace Initiative of Women、Dharma Drum Mountain などの国際会議に 参加してからのことです。この経験のおかげで、私は点と点を結びつけ、 自然から離れて自分本位に生きることは、内なる平和を失うことに直結していると気づいたのです。そこから周囲への思いやりが失われ、集団的な 不幸が増大していくのだと。
平和な世界をつくることは、私たち自身が可能な限り良い人間になるこ とから始まると信じています。そんな想いで私はキャリアを変えようと決 め、One % というアプリを手がけるチームに加わりました。これは国際 ボランティアのプラットフォームで、他者への奉仕精神を高め、親切の 輪を広げていくものです。私たちが目指すのは、10 億人が定期的に自分の時間の 1 % を良いことのために提供することです。 さらに私は情熱に従って、栄養療法を学ぶことにしました。人々がより質の高い生活を送れるよう支援したいと思っています。人間の幸福は地 球の幸福と深く結びつき、切り離せないものです。自然は人間を肉体的にも精神的にも育み、私たちに健康と前向きな気持ちを与えてくれます。 そして自然のありがたさを知った人間は自然を尊び、健康な海や土壌、大 気、そして生物の多様性を守ることでしょう。これこそが、私が広めた いメッセージです。自然のもとに帰ることが、私たちへの治療になるのです。